大麦を搗精(とうせい)すると必ず糠が発生します。
私達業界では、この糠のことを大麦混合糠と呼んでいます。
私達は、この大麦糠からポリフェノールとβ(ベータ)‐グルカンを抽出しました。
ポリフェノールは一般的に穀物・果実の食する部分ではなく、外側の表皮部分近くに多く含まれていると言われています。
大麦ポリフェノールも同様に、果皮・種皮の部分に多く含まれていることが、私達の研究でわかりました。
その抽出方法を、「大麦由来のポリフェノールの製造方法、大麦外層糠の回収装置及び大麦外層糠の回収方法」(特許第5809763号)として特許取得しました。
ポリフェノールとは、元来食物が持ち合わせている物質で、紫外線、病害虫等から身を守るために作り出す生理機能と言えます。
この度の特許は、大麦(皮麦)・裸麦を複数の搗精機で加工した大麦糠の外層部分から、ポリフェノールを抽出することを特徴とする製造方法です。
大麦(皮麦)の搗精工程において、重量歩留比率85重量%~98重量%の搗精工程で生じる大麦外層糠を回収し、ポリフェノールを抽出する製造方法と、裸麦から生じる大麦外層糠の重量歩留比率90重量%~98重量%の搗精工程で生じる大麦外層糠からポリフェノールを抽出する製造方法です。
大麦から抽出したポリフェノールは、淡い茶褐色で、ほのかに甘い香りがします。苦味、渋味は殆ど無く、甘くて香ばしい味わいです。
大麦β(ベータ)‐グルカンは、大麦種子の胚乳細胞の中心部にあたる細胞壁に多く分布していますが、私達は大麦糠にも一定量のβ‐グルカンの存在を発見し、抽出に成功しました。
大麦β‐グルカンは「コレステロールの正常化」、「食後血糖値の上昇抑制」、「腸内環境を整える」ことが認められています。
私達は、この大麦糠のポリフェノールとβ‐グルカンで健康長寿に少しでもお役に立てればと願っています。
大麦は、いろいろな用途に対応できる食品だと思っております。
大麦は、将来性を持ち合わせた、期待の持てる穀物だと確信しています。
特許第二弾として、「大麦糠の回収方法及び大麦糠由来物質の回収方法ならびに大麦糠回収装置」(特許第6231058号)を特許取得しました。
この特許は、大麦糠の可能性を更に広げるものと思っております。
高齢化社会の健康年齢を少しでも引き上げることができ、世の中にお役に立てる製品づくりを目指します。